時は2018年4月2日。

私、芹沢環(せりざわたまき)は家を出て1人暮らしを始める。

音楽家の娘で、期待されて育てられてきた私にとって、この破門は私の自由な人生への第一歩だ。

豪邸に住んでいたので、こんな小さな部屋で暮らすのは初めてだが、自由に過ごすことが出来ると、とても楽しみだ。

私はまずは足りない家具を買いに行くことを決め、外出した。

が、こんな荷物になるとは…。
少し休憩をと思い、近くの公園で休むことにした。

ベンチには先客がいた。

うわぁ、すごい美少年。

テレビに出ていてもおかしくないくらいのイケメンがそこにいた。

彼は私をみて、何かはっとしたように、こちらに歩いてきた。

「すみません。僕と暮らしてくれませんか?」