私は少し考えさせてほしいと言い、社長室を後にした。

仕事に集中しようとしても、やっぱり考えてしまう。

私なんかがほんとになって良いもの？

私に務まるの？

けど、二人の目は確かに私を見ていた。

冗談じゃないことは伝わった。

私は考えることをやめて、デスクに座り直すと、改めてパソコンと向かい合った。

膨大な情報が机には置かれ、これを資料に新たなものを作る。

キーボードを叩きっぱなしの指は軽く痙攣さえ起こしそうになっている。

あっという間にお昼になって、私は食堂に行った。

いつものように１人でランチを始める。

そこには社長と要君が来ていて。私の前に座った。

例の話はすることなく他愛ことを話した。

プライベートな話が多い。

もうすぐ夏休みね、何て話したりして。

何しようかとしょうもない話ばかりして過ぎていくお昼休み。

あっという間に終わってしまった。

私はデスクに戻り、またパソコンに向き合う。

ふと、先輩から声をかけられた。

「なんでしょうか？」と私が言うと、

「この資料見て、もっとここ分かりやすくならないだろうか？」と聞かれた。

えっ？いきなり何で…

私は今まで評価は悪く聞かれる何てあり得なかったのに。

「ここですか？ここはこの方が分かりやすいのではないですか？」と提案してみる。

そしたらなるほど～と納得してくれた。

それから、私は社内で少しずつ、周りと会話するようになり、雑談するようにまでなった。

残業も進んでやる、人の仕事を手伝うようになった。

社長や要君と話す中で自分の中で何かが確かに変わって言ってるような気がした。