それが、そもそもずっと恋のかたちをしたままなんだって、俺はなにも虹のことを諦められていないんだって、
本当は気づきたくなかっただけだ。



ナイトのふりをしてずっと本当はヒーローの座をねらっているような、馬鹿で情けない男だった。




虹が傷つけられてほしくないから、ってその理由で水嶋をやめろと言ったのは少し本当でほとんど嘘だった。


ただ、嫌なだけだった。虹の言うとおり、ただ嫉妬していただけだった。



虹が、千歳くん以外と恋に落ちたら,俺が守る理由はひとつもなくなって、そうしたら、もう虹の隣にいる理由もなくなってしまう。






傷つけられる虹はみたくない。

泣いている虹はみたくない。

誰かと恋におちる虹はみたくない。






――本当は、ずっと、俺のそばに、いてほしい。