一生、叶えるつもりなんてなかった。


恋に落ちたときには、もう失っているような恋だった。






『虹と付き合うことになったから。ごめんね、千尋』


千歳くんにそう言われた日、一度、完全に自分の気持ちに蓋をした。





ずっと見てきた。



出会った頃からずっと。

虹が、千歳くんに恋をする姿を。
俺の方なんて目もくれずに、特別な表情を千歳くんにだけ見せる虹を。






だから、一生叶わないって思った。