「はい、これ。いちごバナナチョコレートにホイップも二倍多めにしたし、あとメープルナッツのトッピングとキャラメルソースかけてもらったから」
右手にSサイズのアイスティー、左手になんとも豪華なクレープをもった千尋。
まだ明るい空の下。
クレープ屋さんは、前よりも女子高生たちで賑わっている。
前と同じパラソルの下に座っていた私に、千尋は左のクレープを差し出してきたけれど、思わず受け取るのを躊躇ってしまった。
頼んでない、トッピング。
ナッツもキャラメルも好きだから、この場合はちゃんとおいしさの足し算が成り立っているけれど、今日も、「俺が払うから、虹は場所取り」って言って一人でクレープ屋さんに並んだ千尋に、そこまでされると、千尋相手でも申し訳ないって思ってしまう。
でも、ごめんね、って言うのは違うし、ありがとう、って普通に受け取ることもできなくて、
なぜか呆れるくらい可愛くない私が急に顔をだしてきた。



