大好きなキミのこと、ぜんぶ知りたい【完】





「……なんで、クレープ?」

「この前のやり直しする」

「………え、あれからちゃんと仲直りしたよね、わたしたち」

「でも、するって決めたから。クレープ好きじゃん虹。だめ?」

「いいけど、」

「うん、だから決定」



決定、って。

どこにも千尋のメリットはない気がするけれど。


でも、もう決めたことらしいし、クレープが食べられるなら私にはメリットしかないし、別にいいやって思った。

投げやりみたいで、投げやりじゃない気持ち。


千尋が、あの日のことを私以上に気にかけているんだって分かったから、少しうれしくて、そのうれしさにちょっとだけ切なくなった。