「千尋、」 「なに?」 恐る恐る隣を歩く千尋を見上げれば、未だ人を見下したような甘い顔をした彼が伏し目がちに私を見る。 「…どうしたの?」 いつかの月曜日、千尋と私の間で仲直りをしてからは別に表だって何かあったわけではなかったから。 今の千尋の行動も表情もなにもかも理解できなくて不安になってしまう。 首をかしげて千尋と目を合わせていたら、千尋はゆっくりと瞬きをおろして、それから不自然に口角をあげた。 それで。