歯切れの悪い私の返事に、千尋は不服そうな相づちをおとして、それきり黙ってしまった。 含みをもった千尋の声に、私も何も返せずにぎゅっと唇をかむ。 私たちの家までもう少しだけど、まだ歩くには歩かないといけない。 ここからまた気まずい沈黙が流れてしまうんだろうな、と溜息をおとしかける。 だけど意外にも、沈黙はずっとは続かなかった。 「虹、」 「…なに?」 「最近、数学か物理基礎で分からないとことかないの?教えたい気分なんだけど」