「そばにいる」 「…………」 「千歳くんのかわりに、虹のそばにいるよ」 「でも、今だけは、百瀬を優先する。ごめん」 「………そ、っか」 「虹、絶対にすぐ帰って。もう暗くなるから、寄り道しちゃだめだから、絶対」 「……」 「細い道も通っちゃだめ、ちゃんとまっすぐ帰って」 とってつけたみたいな心配の台詞を口にして、くるりと私に背を向けて、千尋は行ってしまった。