「どうせ今から柚姫の所に行くんでしょ。せいぜい悪いやつらに捕まらないように………って伝えといて。」

「…どういう意味だよ……。」

「こう言う意味…。」

それだけ言って俺に封筒を渡してきた。

「…………………」

中には写真が入ってた。

それも、柚姫の写真だった。

倉庫で喧嘩してたときの写真。

俺達が殴り合いしてたとき、柚姫はこんな写真をとられてたのか………。

『今から柚姫の家に行くんでしょ?悪いやつらに捕まらないように…………』

ふと、苺ちゃんが言った言葉が頭をよぎる。

ヤバいかもしれない……………。

そういう意味かよ…。

俺はおもいっきり走った。

今日は自転車で来ていてよかった。

早く柚姫の家につける。

早く……早く………。

さっきの写真がぐしゃぐしゃになるぐらい、強く拳を握った。

柚姫の家について自転車を止めた。

チャイムを鳴らしても柚姫は出てこない。

…………まさか。

俺は柚姫の携帯に電話した。

……………………

『はい…』

「柚姫!?今どこ?」

『家だけど…』

もう一回チャイムを鳴らしてみた。

『誰か来た。』

電話の向こうで柚姫がそういった。

『ガチャ』

ドアが開いた。

「和詩?」

「柚姫…………」

ゆっくりと抱き締めた。

「ちょっ……いっ、一回中入って…。」

玄関に入って、ドアが閉まった。