映画が終わり、辺りが明るくなると、僕は凜を見た。

「凜…」

「しんちゃん!! 映画、面白かった?」

「えっ?」

「面白かった?」

「まあ……面白かった……」

「本当? 良かった!!!」

凜が嬉しそうな笑顔を僕に見せる。


『この映画、面白そうだな…』

僕の…為か?

『うん!
大丈夫!!!』

「良くないだろ!!! 怖かったんだろ? 大丈夫じゃなかったんだろ?」

「怖かったよ…。大丈夫じゃなくなったけど…。
しんちゃんが私の手を握ってくれて、しんちゃんの顔を見てたら、大丈夫になった!!!

ありがとう!! しんちゃん!!!」

抱きついてきた凜の背中を僕は優しく包む。

「ホラー映画は禁止だ…。
心配する……」

「ごめんなさい…」

「……許す」