それから制限時間終了ののちに、答え合わせも行われ、弘海先輩と私のペアは一位で、もちろん点数は1Cの得点に加算された。

その間も、考えないようにしたけれど、生徒の間をすり抜けて私に刺さる視線は感じていて、一刻も早くここから退きたかった。


「それでは最後の種目、学級対抗リレーに移りたいと思います。中学一年生の皆さんはそれぞれ位置についてください」


締めは学級対抗リレー。もちろん私は関係ない。
結果発表を以って漸く解散を許可された私は、隣の弘海先輩に声もかけずに去ろうと背を向けた。
これ以上、こんな目立つところにはいられない。
今だって、視線が痛いくらいに刺さる。
ネコミミを外そうと頭に伸ばした。

すると、誰かに腕を掴まれた。


「明日、四時。出水駅前」


短く、しっかりと鼓膜に届いた声は、間違いなくさっきまで隣に立っていた人のものだったが、聞き返そうと振り向いた時には、もう生徒に引っ張られて行ってしまった。
弘海先輩の背中がどんどん遠ざかって、頭の中をその声は大きく支配していく。

……今のは、何?