「ひっ……!?」 びっくりして後ずさった。 いつの間にか、目の前に長身痩躯の男が立っていた。 いつの間にか、としか言いようがなかった。 物音も立てず、気付いたら目と鼻の先に立っていた。 『貴様、俺が、見えているな?』 もう足腰に力が入らず、ぺたんと座り込んでしまった。 すると、男は僕の顔を覗き込み、作り物の宝石のような瞳でじっと僕を見据えた。