風はやや肌寒かったが、歩き出してしばらくしたら、それも気にならなくなってきた。 風に乗るほのかな花びらの香りが、風流な感じがする。 丁度、今日は満月で、雲の合間から漏れ透ける月光が、地面に降り注いでいた。 そこはかとなく幻想的だ。 ここだけ、現実じゃなくて、夢の世界のようだった。