「……ライナグル、今鳴いた?」 『誰が鳴くか。現実逃避はよせ。ほら、そこだ。縁側から入ってきている』 黒い悪魔が指さした先には、痩せ細り毛並みも荒れた猫が、無警戒に侵入してきていた。 大方、腹が減っていたのだろう。人家なら食べ物があると踏んだのかもしれない。 だけど、それはひどく愚かな判断だ。