分からないことは、分からないままにしておいた方がいい。 それは、この17年という、短い人生の中で得た教訓だ。 僕はもう一度ゆっくり深呼吸をしてから、空き家の中に侵入した。 もう無人になってから随分長いらしく、あちこちにホコリや傷んだ家具が散乱しているが、異臭はしなかった。虫の気配もしない。 間違いなく、「アレ」がいる。 「アレ」は生き物や食物を際限なく食うから。「アレ」の周辺からはその類のものが残らないのだ。 そう、無機質な目をする悪魔に、教えてもらった。