『呼んだか、優羽』 不意に空中に長身の男が現れた。 ぷかぷかと気球のように浮いている、真っ黒な喪服を着込んだ、異常に顔色の悪い男。 「なんでもないよ、もうしばらく隠れてて」 『あと十五分だ』 二人には聞こえないように小声で呟くと、冷たい声でそう返ってきた。