ただ…今ちょっとばかし問題が。
褒めちぎられたかと思えば、何故か今、私はちぃ君の膝の上にいる…

しかも何で向き合ってるの?!
けど、ちぃ君はそんな事気にしていなくて。
凄く優しく笑顔で

「本当におめでとう」

って私の頭を撫で続ける。
かと思いきや、今度は突然顔を私の首に埋めてきた。

「な?!ちょ、どうしたの?!」

…変だ。ちぃ君がおかしい!

さっきから距離が近い。
いつもこんなにくっ付いたりしないちぃ君だから、ドキドキして心臓に悪い…

「ねぇちぃ君?今日なんか近くない、ですか…?」

「俺的にはまだ遠いんだけど」

遠い?!どこが?!顔の距離だけで言うと10㎝も無いよ?!

「…やっぱりちぃ君今日変だ。」

「変じゃないよ。これが普通。今までは我慢してただけ」

「我慢?…なにを?」

「紫音が夢を叶えるために、必死で頑張ってるのを邪魔したく無かったから我慢してたの。
だから、それまではこうやってくっ付いたりするの抑えてた。

でも今日、一つ夢を叶えて帰ってきたじゃん?
そろそろ俺も我慢の限界だし、これからは嫌って言うくらい近くにいる」

「…そんなに我慢すること?」

「当たり前でしょ?好きな女の子前にして俺もよく我慢したよホント。」

男の人って、そう言うもんなの…?

「紫音は嫌?こうやってくっつかれるの、」

急に声をシュンとして聞いてくる。

か、可愛い…。変かと思いきや急に可愛いじゃんか!

「嫌じゃないよ?ただ、心臓がうるさくなるだけで…
私だって!ちぃ君の近くに居たい」

好きな人とはいつでも一緒にいたい。誰だってそうだよ。

「…あーもうホント無理。そう言うこと急に言わないでよ…」

キツく抱きしめ直してきたちぃ君に、私もキュッと抱きしめ返す。

「大好きな紫音の側にいれて、その紫音の夢が叶って、俺今すげえ幸せ」

「私も幸せだよ!」