「時間になったら呼びに来るから、それまで好きにしててね!」

「何から何までありがとうございます…」

「いいのいいの!それより、歌出来た…?」

少し遠慮気味に聞かれた

「何とか…」

そう言うと、大野さんの目がみるみる開かれる。

「…本当に出来たの?
まさかと思うけど、一曲丸々?」

「そうですけど、」

え、全部作っちゃまずかったの?!

「君、本当に凄いんだね…」

大野さんがボソッと呟く。そんな事無いんだけどな…

「あ、ごめん!練習の時間減っちゃうね、
じゃあ後で呼びに来るから!」

そう言って勢いよく出て行った。
何だったんだろう…?

まぁいいか、今は最終審査に集中しなくちゃ。