あの後、どのくらい部屋にこもっていたのだろう。

「…出来たぁあ!」

一度も休まず、一気に曲を作り終えた。

『夢想違愛(ユメオモイアイ)』

…うん、なかなかいいんじゃない?!私凄くない!?
あんまり自分を褒めたくはないけど、私凄い。

この曲なら、1時間あれば十分に弾けるようになるはず。

お腹も減ったし、外も薄暗くなってきてるし。練習する前にご飯作ろっかな。



ちぃ君はリビングで仕事中…あ、寝ちゃってる。

寝てるのに美形な顔が崩れないの羨ましいなぁ…なんて思いながら、ちぃ君の寝顔を堪能して、
お風呂にご飯に、ささっと用事を済ませてしまう。

「ん…紫音?…っ今何時?!」

「8時だよ、?おはようちぃ君」

キッチンでガサゴソ準備をしてると、ソファで寝ているちぃ君が起き上がった

「え!?8時?!」

そんなにびっくりする事だったかな、?

「…ちぃ君なんか用事あったの?」

なにやら頭を抱えて後悔している様子。

「あ、いや…紫音頑張ってるから、ご飯代わりに作ろうと思ってたのに…って」

あぁ!そう言う事、

「ありがとうちぃ君。大丈夫だよ!その気持ちだけでも十分嬉しいし、ストレス発散にもなったから!
一緒に食べよ?」

「…うん」

ふふっ、まだ寝てた事を後悔してるみたい。

「…やっぱり美味いな。
歌、もう出来たの?」

「うん、バッチリだよ!」

「本当に1日で仕上げるとか、マジすげぇよ…。
明日、ちゃんとネックレスつけて行けよ?」

そう言って私の首元を指差す。

「もちろん!これ凄く気に入ったの。
毎日つけるよ!」

本当にこれを付けてるだけで、勇気が湧いてくる。

さあ、さっと練習して早く寝よう!

受かるわけないか。と、頭では分かってはいるものの、頭の片隅には淡い期待をしちゃうよね。