愛を私の音色に乗せて。




「ただいま〜」

「おかえり紫音!!」

ちぃ君が凄い勢いで抱きついてきた

「まままっ、待ってちぃ君苦しい…」

「あ、ごめんごめん。お疲れ様!」

「ありがとっ。ねね!今日の審査、通っちゃった…!」

「は…は!?まじ!?」

「まじです…残っちゃったよぉどうしよう…」

「…お前本当に凄いな。おめでとう!」

グシャグシャっと頭を撫でられる。

「ちぃ君から貰ったネックレスのおかげだよ?」

「違うよ。通ったのは、紫音が頑張ってきたから。
疲れたでしょ?先にお風呂はいってきな?」

「へへっ、はーい!」

湯船でリラックスしてても、頭の中は歌のことばかり
色々考えてたら逆上せてきた…。
早く出て体冷やさないと。

お風呂を出て、氷を頭に乗せる

「どうしたの?」

ソファで寝転がっていると、ちぃ君が顔を覗かせた

「お風呂で考え事してたら逆上せちゃって、」

「考え事?」

「あのね、?」

今日のオーディションであったことを順番に話した。

そしたら、

「その人たち馬鹿じゃねぇの?無茶だってわかってて言ってるだろそれ」

って怒ってた…。、

たしかに、無茶苦茶な事かもしれない。

「でもね、言われたからにはやり切りたいじゃん?
…まぁ悩みに悩みまくってるけどね、」

「俺はそんな歌の構成だとか、表現だとか、全くわかんないけど…なんて言うかさ、
紫音の歌は素直なんだよ。真っ直ぐで心に届く。
変にかっこつけないで、素直な紫音の曲を作ればいいんじゃない?」

…素直か。

「ごめんめっちゃ上から目線…」

「ううん!そうだね、いつも通り作ればいいんだよ。ありがとう。」

なんか、気持ちがすっとしたなぁ。

「まぁ俺は紫音の作った曲なら全部好きになれる自信あるけどね?

曲、早く作りたいかも知れないけど、
ちゃんと食べて、ちゃんと寝ろよ?
もうご飯できてるから食べよう」

「はーい!」


頑張るぞ、私!