「はぁ…終わった!」

それから2時間、ようやく全部英訳し終わった。

「お疲れ様」

「ありがとうございました本当に助かりました…」
え、もう7時半!?」

どうしよう。ちぃ君に何にも言ってない…
早く帰らないと、

「先生本当に助かりました!じゃっ、さようなら!」

そう言って、急いで教室を出ようとすると、

「待て伊藤、もう暗いし家まで送ってあげるよ」

「…え?送る?」

なんて言う提案がされた。

「俺も帰るし、それに危ないから」

「でも…そんな悪いですし、」

「良いんだって。車は先生の特権なんだからさ〜」

さっきまで職権乱用しようとしてた人とは思えないくらいに優しい黒崎先生。

「…じゃあ、お願いします…」

「ん、行こ」

先生の後ろについていき、車に乗せてもらう。
最近、よく車に乗るなぁ。

今までお母さんが家にいなかったから、電車しかなかったんだけど、
人の車って凄い緊張する。