「まあ、伊藤が嘘つくようには見えないし、一応信じておいてあげるよ。」

一応とはなんですか一応とは!
…この先生、私の中に存在する数少ないイライラ心をチクチク刺してくる。

「じゃあさ、英語教える代わりにこの曲の日本語版歌ってよ?」

「…先生という立場を利用した悪質な取引しようとしてますね。」

「そんな事無いよ!ほら、担任とは違えど学校の先生だから、生徒のことはちゃんと知っておかないとじゃん」

物は言いようですね、と言いたくなるのをぐっとこらえた。

「教室でなんか歌いたくないです!
…また今度、音楽室で偶然会ったりでもしたら歌わせてもらいますね〜

あ、先生この単語どうやって直すんですかー」

「…めちゃくちゃ棒読みじゃん。しかもしれっと話逸らすし。」

「じ・か・ん・が・な・い・ん・で・す」