亘さんは世渡り上手




「ほ、ほら! 一緒に撮りますよ!」



今度は亘さんがスマホを掲げた。


インカメラに映る二人。軽く肩が触れ合って、その部分が熱く感じる。


……今、かな。



「いきますよ和泉くん! はい、チー」


「亘さん。俺、亘さんが好きだ」


「ずぅ!?」



――カシャッ!



「……じゃ、それ俺に送って。待ち受けにするから」


「や……っ、え、ええとっ、あの……?」


「ん?」


「と、撮り直したいです……」


「やだ。可愛いじゃん、顔真っ赤にした亘さん」


「う、あ、あとその……す、好き、って……」



平然を装う俺と、それができない亘さん。


正直俺も心臓は破裂しそうなくらいに暴れている。流れでならいけると思ったけど、拒絶されたらどうしよう。


でも、亘さんだってこれをデートだと思ってるならさ……。



「……これが、谷口の告白に対する俺の返事」


「え……」


「亘さんは?」


「はいっ!?」


「俺のこと、どう思ってる?」


「そりゃあ、その………………………………スキデスケド」


「なんてー? 聞こえなかった」


「大好きです!」


「ふーん、そっか」


「笑顔も、優しいところも、たまにいじわるなところも、大きな手も、そのにやけを抑えてる顔も、全部大好きです!!」


「あ……いや、ちょっと言い過ぎ……」


「攻められたらうろたえるところも大好きですけど!?」



それがなにか!? とでも言いたそうな早口まくし立て。たぶん、恥ずかしさでよくわからなくなってるんだと思う。


表情が豊かになった亘さんは、破壊力がすごい。


やっぱり俺は、一生彼女に勝てないみたいだ。