俺は浮かれていた。信頼できるから大丈夫だろうと、亘さんを簡単に家に呼んだ。
そりゃあ俺からしたら信頼できるけど、父さんは亘さんのことを何もしらないんだからこんな反応になるのはあたりまえなのに。
亘さんが見ている。
今の俺と父さんのやりとりをどう思っただろうか。心配性な父親だと片付けてくれるだろうか。
……いや、仮に表面上でそういう態度をとったとしても、内心は気付いてるに決まってるんだろうな。
「ええと……わたしはそろそろ帰った方がいいですよね。それでは……」
「あ、待って、叶葉ちゃん。……で、いいかな?」
「は、はい」
父さんが亘さんを引き留めた……? どうして。
さっきとは一転、優しい顔だ。もう怒ってないのか。
「よかったらご飯食べていかない?」
「え? でも」
「厳しいかな?」
「いえ、たぶん大丈夫だと思います。ええと、ではお言葉に甘えて……いただきます」
父さん、卑怯だ。他人の親にこう言われたら、断りづらいに決まってる。
俺はちょっと嫌だった。だからって父さんがそうしたいなら、止めるつもりはないけど。
「理人。父さんはキッチンにいるから……言いなさい」
「……うん。亘さん、こっち」
俺は亘さんの腕を掴んで、自分の部屋へと引っ張った。



