【短】祭の夜に会いたくて



 力強く抱きしめられる。


 その強さに息苦しくなった時、同じくらい熱いキスをされる。


 花火の音が連続で鳴り響き、わたしたちの鼓動を隠すようだった。


 夏空を彩る花火が止まらない。ハルへの好きが止まらない。


 大輪が空を彩り、あまりに大きな音だったから驚く。やっとわたしたちは離れて笑い合った。



「ハル」

「何?」

「イカ焼き食べたい」

「ムードぶち壊し!」

「いいの。それがわたしなの!」

「そういうの、好きだけど」



 ハルと一緒の初めての夏祭り。


 今日という日がまだまだ続きますように。
 夏の空に、願わずにはいられなかった。



 END