◆◇◆

翌日。


気が気じゃなくて、授業なんてちっとも頭に入ってこなかった。


「空き教室で決行ね。うちらはしっかり動画に収めますから」


スマホをポケットから取り出して河野と私にひらひら見せる理沙。


「立花さん来ると思う?」


〝空き教室で話がある。杉浦〟という手紙を今朝早くに学校に来て立花さんの下駄箱に入れておいた。


結局、告白文じゃなくて凛空の名前を使うことで釣る作戦に変えた。


必ず読んでるはずなんだけど、怪しんでる可能性は大だよね。


「来るだろ。お前らちゃんと動画撮れよ?せっかく俺が協力してやってんだから」


「分かってるって。あんたこそ手加減とか優しくとかしなくていいからね」


「当たり前~」


正直、二人ほど乗り気にはなれなかったけど、憂さ晴らしになりそうだから抵抗はなかった。


空き教室の様子か見えるところで待機して、立花さんが来るかどうかを見張っている。


それだけで、心臓がバクバクしてる。