「やると決めたからには徹底的になんなきゃね~」


鼻唄混じりに呟く理沙。


「そうだね」


突如沸き上がった黒い感情に突き動かされるがまま、私は立花さんを追いつめることを決めた。


「問題は誰にやらせるかだよねー」


ざっと教室を見回すと、ぴったりな人を見つけた。


「河野は?」


河野遼(こうのりょう)。


女関係がハデなことで有名な男子だ。


「うっわー、エグ。美夜人選ナイスすぎぃ」


手を叩いてゲラゲラ笑う理沙に、クラスメートたちが注目する。


「ねぇ遼、ちょっと」


注目されることを苦にすることもなく、理沙は河野を手招いた。


そういえば…誰かから聞いた気がする。


理沙と河野はセフレだったって。


今は知らないけど。