止めるなら今だけど…。


「…ねぇ、立花さんって総長の何だったの?」


気づけばそう口走っていた。


答え次第で私は立花さんをまた痛めつける行動をするかもしれない。


だけど、聞いてしまっていた。


「彼女」


一番聞きたくない答えだった。


自分が暴走してしまいそうになる恐怖が押し寄せる。


今ここで理沙の案に乗っかるような発言をしてしまったら、取り返しのつかないことになる。


それなのに、乗っかろうかと葛藤する心がある。


してはいけないことの区別くらいはわきまえてるつもりだった。


だけど、たしかに、言葉では言い表すことができない激しい感情が燃え上がっている。


胸が苦しくて、泣きたくなって。


このモヤモヤから解放されるなら、他人がどうなってもいい。


そんな非道な感情に支配されつつある私…。