「……1つ聞くけど」


ずっと黙ってた銀髪が静かに口を開いた。


「聖輝と美夜、知り合い?」


コウちゃんは何て答えるのかな…。


私に回答する権利なんてない気がして、コウちゃんをちらっと伺う。


けどコウちゃんに答える気配はなかった。


ずっと足を組んで背もたれに持たれているだけ。


「…知り合い…です」


コウちゃんを視界の端で捉えながら、震える声で答えた。


「へぇ。聖輝覚えてねーの?」


余計なこと聞かないで…。


傷つくだけだから…。


「覚えてないもなにも、初対面だし。この女が勘違いしてるだけじゃね」


嘘だ…。


「私のこと覚えてるクセに…」


何で知らないフリするの…?


私、コウちゃんのこと忘れたことなんて一度もないよ…っ。  


それなのにどうして…?