それは突然のことだった。


7月上旬にある期末テストの最終日の放課後。

 
「美夜、今からちょっと付き合ってよ」


いつも通りニコニコした凛空の瞳には影が宿っていた。


「なになに、デートのお誘いー!?楽しんでー美夜!そんじゃーまた月曜日ねん」


茶化すだけ茶化して理沙は教室を出ていった。


「予定、ある?」


輝嵐の倉庫かもしれない。


ついに、コウちゃんに会えるかもしれない…。


「ないよ。行こっか」


緊張してきた…。


手が汗ばんでるのは決して暑さのせいだけではないはずだ。