あの日のキミが好き~True Love~

「美夜?」 


名前を呼ばれてハッと顔を上げる。


「一時間目移動だよ、行こ」


気づけば朝のホームルームは終わっていた。


「一時間目…なんだっけ」


最近、コウちゃんとの想い出に自分が支配されてる気がしてならない。


もうあの頃のコウちゃんはいないのに。


「化学。あのオッサンの授業だよー、めんどくさっ」


…もし今、輝嵐の姫になることができたとしたら、私に姫になる覚悟はあるのだろうか。


変わってしまったコウちゃんに会う覚悟はできてるのだろうか…。


きっとできてない。


コウちゃんに拒絶されるのが怖い。


だけど、立花さんを追い出すまでしたんだから、やり遂げなきゃ……。


もうやめるわけにはいかない…。