「清二郎さん、一人で寂しがってたから良かったわ。どうぞ入ってくださいな」


今時、引き戸なんて珍しい。


案内された居間は畳だし、やっぱり田舎だな。


「暑かったでしょう。麦茶どうぞ」


元気なお婆さんだなぁ。


腰も曲がってないし。


70代に見えるけど、違うのかな。


「ありがとうございます。ほら、美夜もお礼言いなさい」


「…ありがとうございます」


畳の上に正座して、ちゃぶ台を囲む私たち3人。


正座は得意じゃないや。


「あら。清二郎さんって娘さんいたかしら」


「あっ、誠(まこと)さんの妻です」


お父さん…誠って名前だったんだね…。