「悪女になれんのはさ、分からなくはないけど、よく好きでもない男の前で脱げたな」


あの合成写真は、顔だけを入れ換えたもので胴体は私と晴流のものだ。


そうする方が完成度が上がるって聞いたから晴流にお願いした。


「晴流だからだよ」


「アイツのことが好きなくせに」


去年…高1の秋、私は東京に戻ってきた。


おじいちゃんが亡くなったから。


小6の時から決めてたこと。


おじいちゃんが亡くなったら東京に戻るって。


それに、コウちゃんがいない村にはいたくなかった。


東京に来て、コウちゃんに会えるなんて思ってもなかったけど…。


私の中に存在するコウちゃんの残像を消したくて、私は村から逃げた。


お母さんは村に残ってる。


典子さんのことを支えたいって言って。