「しっかし悪女だなー、合成写真バラまくなんて」


とある喫茶店の一番奥のカウンター。


アンティーク調のおしゃれなこのお店は、東雲晴流(しののめはる)という東京に戻ってきた私の初めての知り合いだ。


晴流はもうハタチ。


もともとは〝伝説の男〟と呼ばれていたヤンキーだ。


パソコンに異常に詳しく、合成写真作ったのも晴流。


晴流とはアパートのお隣さんという関係だ。


この店は晴流の仕事先。


店長は晴流の先輩にあたる人らしい。


めったに顔出さないけど。


「コウちゃんのためなら私は悪女にでもなる」


晴流に写真を合成して作ってもらったのは私。