「さすがにさ…精神的に耐えらんねぇっつーか…。もともと…居心地悪いって…居づらい…って…思ってた。そんなときマナが…目の前で溺れて…助けてやれなくて……っ。その上でそういう暴言は…耐えらんねぇよ……」


震え、涙が混ざる声。


5年前の夏、海でしたように、気づけばコウちゃんを抱きしめていた。


自分の頬にも冷たい雫があって、コウちゃんの服を濡らしていく。


「もう分かったよ…っ。コウちゃんの過去…っ。だからもういいよ……っ」


これ以上はツラくて苦しくて聞けないよ…っ。


聞きたくないよ…っ。


「私…何も知らなかった……っ。だから…コウちゃんを追いつめて傷つけてきた…っ」


こんなにもコウちゃんのことが好きなのに、私はずっとコウちゃんを追いつめ傷つけてきた…。