落ちたの…?


マナちゃんが…?


「…助けようとしたけど、助けらんなかった」


コウちゃんもまだ中学2年生…。

 
怖かったに違いない…。


目の前でマナちゃんが海へ落ちて、溺れてて…。


「目の前で、マナが流されてくのを見てることしかできなかった。〝お兄ちゃん助けて〟って、マナの最期の声が忘れらんねぇよ…」


震えるコウちゃんの声。


抱きしめたいけど、少しでも触れたら壊れてしまいそうなくらい脆いコウちゃん。


「俺がもっとちゃんとマナのこと見てれば。海なんかに連れていかなかったら。もっと早く帰ってたら。そうやっていろんなことを後悔した」


コウちゃん…。


もう話さなくていい…。


もういいよ……。