◆◇◆
コウちゃんが私の家に来てくれたのは夜中の12時を回った後のことだった。
「狭いけど…どうぞ…」
こうやってこの家にコウちゃんを招くことができるなんて夢みたい。
…この状況じゃなければ…だけどね…。
リビングのソファに隣同士で座る私たち。
そのコウちゃんの目は赤く充血していた。
きっと泣いたんだ。
私がいないときに、一人で。
なんて声をかけていいのかわからない。
何も言っちゃいけない気がして。
「…彩夏が俺にメール遺してた。共通の知り合いを通してだけど」
だから、コウちゃんから話始めてくれて正直ホッとした。



