「…コウちゃん……ごめんね…」


夜の病院は通常以上に静かで、怖さすらある。


薄暗い廊下に強く光続ける〝手術中〟のランプ。


「美夜のせいじゃないから」


目の前で人が落ちた。


その時の光景が目に焼き付いて離れない。


「…コウちゃん…立花さんのことが好きなんでしょ…?」


ホントはずっと気づいてた。


気づかないフリしてた。


傷つくのが怖かったから。


「…コウちゃん…知ってたんじゃない…?もしくは…気づいてたんじゃない…?」


「………」


否定しないのがどの言葉よりも肯定を示す…。


私はこんなにコウちゃんが好きなのにね…。


「私が裏で写真でっち上げて、立花さんを輝嵐から追い出したこと…」