目を開けたらコウちゃんが消えてしまいそうで怖い。


すべて夢だった気がして怖い。


また前みたいに急にいなくなって…幻想を追いかけるしかなくなって…。


もうそんな経験はしたくない…。


「コウ…ちゃん……」


消えないで…。


行かないで…。


側にいて…。


やっと感じた温もりを離したくない…。


コウちゃんの側にいたい…。


また名前を呼んでほしい…。


消えていかないで…。


「美夜…」


誰の声…?


「コウちゃん…?」


ゆっくり目を開けると、そこにいたのはコウちゃんじゃなかった。


「…晴流…。コウちゃんは…?」


目を開けて一言目が〝コウちゃん〟なことに晴流は悲しそうな表情をした気がした。