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意識が戻ったとたん、激しい頭痛に襲われる。
痛さのあまり反射的に頭を押さえようと腕を動かそうとしたけど、それはかなわなかった。
背中に両腕を回され、そこでキツく縛られていた。
足元を見ると、やっぱり足首も縛られている。
体育座りさせられた状態で、倉庫らしきところに放置されているようだ。
拉致。
その言葉が浮かぶまでにそう時間はかからなかった。
輝嵐が清龍の姫を拉致したのは記憶に新しい。
それと同じことをされてるんだ。
「動くな」
突如、低い声が響いた。
そして複数人の足音が近づいてくる。
派手な髪の男が3人。



