東京の喧騒がとたんに戻ってくる。


もう、コウちゃんの姿はなかった。


横断歩道の真ん中に、立ち尽くすことしかできなかった。


もう…ダメなんだな…私たち……。


いつの日か景に言われた通り、私たちは住む世界が違うんだね…。


コウちゃんにはもう関わることができないのかな…。


諦めちゃいけないって思う心もある。


だけど………。


─ブーーッ


派手なクラクションの音が聞こえてハッとする。


横断歩道の真ん中で立ち尽くしていたことに。


慌てて渡りきり、ふーっと息を吐き出す。


〝世の中、不可能なんてないんだよ〟


私は優菜の言葉を信じるよ…。


だって親友だから。


諦めないで信じてみるよ…。