晴流の手が腕の包帯へ伸びる。


「ごめん…」


包帯がとられ、パックリ割れた傷口が現れる。


「……まぁ無事だったからいいけど…。次からは無茶すんなよ?」


慣れた手つきで包帯を交換してくれる晴流の口調は穏やかだけど怒ってるみたいだった。


「ごめんね…心配かけて」


もう絶対輝嵐の倉庫にはいけないし、あの辺り一帯に近づくことさえできないと思う。


私には裏切り者のレッテルが貼られてるんだから…。


「…太ももの包帯、自分で交換する?」


右腕の包帯を丁寧に巻いてくれてから晴流が言う。


「……傷口見たくないから晴流がやって」


傷口を見ると痛みが倍増するし、切られたときの光景が鮮明に蘇ってしまう。


あのとき、コウちゃんはどんな表情をしてたんだろう…。


軽蔑の目で私を見てたのかな……。