痛み耐えられなくて膝から崩れ落ちる。


ちょうど目の前に山下さんの足がある。


ロープをほどくなら今しかない。


コウちゃんに言いたいことは全部言えた。


だからもうどうなったっていい。


やるしかない。


意識が飛びそうなくらい痛いけど、無理やり唯を振り払って足のロープをほどく。


「てめぇ」


すぐに唯に痛む腕を掴まれ、その作業は止まってしまったけど、あとは自力で抜けられるくらいに緩めることには成功した。


「山下さん早く逃げて!!早く!!」


私が叫んだ瞬間、景がソファの背もたれを飛び越えて山下さんの方へ走り始めた。


「早く!!」


倉庫の外には晴流がいるはず。


倉庫さえ出れば…。