緑しかない窓の外に川が見え始めた。


緩い斜面で、草に覆われた土手が見える。


水面がキラキラ輝いて、空気が澄んでいるのが想像できた。


「綺麗ね」


「うん…」


綺麗だとは思ったけど、認めたくない。


東京に戻りたいな…。


「あ……」


人がいる。


…金髪?


金髪の同い年か少し上くらいの男の子が土手に寝転がっていた。


暑くないのかな…?


この村に入って初めて人を見かけた。


金髪なんて本当にいるんだなぁ。


「あ、ここみたいね」


お母さんが車を停めた。


立派な家…。