「いつからそんな最低な人間になったの!?私の知ってるコウちゃんはどこにいったの!?」


「お前に俺の何がわかんの?」


コウちゃんの冷徹な視線が突き刺さる。


痛かったけど、やめない。


やめられない。


「わかんないよ!わかるわけないじゃん!!だから言ってるんじゃん!ずっと言ってるじゃん!何があったのか教えてって!!いつまで過去を引きずれば気が済むの!?」


言い過ぎたらコウちゃんを傷つけることになるのは頭のどこかで理解してる。


けど、止められない。


「私、こんな最低なコウちゃん見たくないんだよ!!暴言吐きたきゃ私に吐けばいい!暴力振るいたきゃ私に振るえばいい!!山下さんは関係ないじゃん!他人じゃん!!何で簡単に他人を傷つけようとするの!?」


コウちゃんとの距離はほんの数センチだった。


「コウちゃんは傷つけられたんじゃないの!?あの村で!何があったのか見当もつかないけど!!傷ついたから逃げたんでしょ!?だったらその痛み分かるはずじゃん!」


コウちゃんに触れたいけど、触れられない。