「山下さんを放してあげて」


1歩1歩距離を縮める。


「…ストーップ!美夜チャンさぁ、どーゆー立場?」


景が明るく言ったけど、目が笑ってない。


確実に景を敵に回した瞬間だった。


唯の目も鋭い。


もうこの倉庫には…輝嵐には味方がいない。


それでも山下さんだけは救わなきゃ。


私はどうなったっていい。


「コウちゃん。コウちゃんがやってることは犯罪だよ。何の罪もない人たちを傷つけて。自分のストレス発散にしてるだけだよ!」


もうどうにでもなれ。


景や唯にブチギレられようと、私はもう逃げない。