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「ねぇコウちゃん。浴衣、似合ってる?」
高台にある神社で出店が出てるみたいだから、私たち二人はそこに向かって歩いてる。
その道中、何度もコウちゃんに浴衣姿を披露してる。
くるんっと1回転してポーズ決めたりして。
「似合ってるって」
この度にそう答えてくれる優しいコウちゃん。
私たちが歩いてる間も花火は絶えず打ち上げられてる。
「美夜ー!」
神社の階段を上ってると、上から大声で名前を呼ばれた。
見上げるとピンクの浴衣を着た優菜が手を振っていた。
「優菜ーっ!」
久しぶりに会えて嬉しくて、下駄をはいてることを忘れて駆け出してしまう。



