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その日はなぜか妙に寝付けなくて、ほとんど寝れないまま朝を迎えた。


そして重い体のまま学校へ。


「さっき白咲先輩と目が合ったの!そしたらニコって笑ってくれた!」


このクラスに限らず、学校内ではよく2年の白咲美夜先輩の話題があがる。


まるでアイドルのような存在。


うらやましい…って思ったことは正直ある。


誰からも好かれて、校内で見かけたときは誰かしらの友達が隣にいて。


だけどその反面一人での時間も大切にしてそうなイメージで。


私が憧れてるのはこんな寂しい人生じゃなくて、白咲先輩のような人生なのかもしれないなって思ったこともあった。


だけど私は聖輝がいてくれたらそれで充分。


もう何も望まない。