毎年のことだけど、凛空があからさまにガッカリして聖輝の気を引こうとする。


けど聖輝はガン無視。


それが輝嵐の夏の風物詩になりつつある。
 

「じゃあ彩夏と二人で旅行行こっかな」


凛空が意地悪そ~に言った瞬間、聖輝の目の色が変わった。


「行けるもんなら行ってみろ」


怖…。


怖いけど、嫉妬ってことだよね?これ。


フラットな関係を好んでる聖輝でも独占欲的なのはあるんだ。


ちょっと嬉しいかも…。


「聖輝怖すぎ」


唯がケラケラ笑う。


「怖くて結構」


聖輝は最初、輝嵐に入ったときは嫌そうだったけど今は楽しそうでよかった。


私も楽しい生活を送れてるし、これも全部聖輝のおかげかな。


2年前のあのとき、死ななくてよかったって心の底から思ってるんだ。